今回のお客様は毎日ジムに通っているスポーツが好きで元気な高齢の方です。
いつも野球やゴルフをトレーニングの間の時間にポータブルTVで見ながら、
その話題で盛り上がりながらトレーニングを行っています。
はじめトレーナーが「膝は大丈夫ですか？」と聞くと
お客様が「膝は大丈夫。でもいつも通り腰が痛い。」と言いました。
トレーナーが体の状態を見ると、顔が下に向いており、
「下向きすぎです。」と言いました。
するとお客様が「ずっとスマホ見てた。今見るTV多いから。」とお客様自身が
理由を分かってるようでした。
その流れで、背骨の状態を見て、「骨は問題ないです。」とも言っていました。
最初は顔が下を向いていることから、ストレッチポールを使って胸のストレッチをパッと行い、
野球を見ながら「この選手は今調子よくないよね」と話していました。
しっかり調整しつつ、お客様が楽しめるための配慮もしており、こういう細かい
ところが大切なんだと思いました。
その後、背骨と肩甲骨を動かすトレーニングを行っている時に、
トレーナーから「今日、柔らかいですね。」と言われて、
最近は緊急事態宣言の影響でジムに行けないため
「ジム行ってないくらいが体柔らかいのかもね。」
とふざけて言うと、トレーナが「しなさ過ぎても、し過ぎても駄目ですね。」
とツッコミのように言っていました。
ただ私が見た感じも動きが「柔らかい」ように感じましたが、
最初に体を見た時に腰が抜けていたことから、
「いつもよりは柔らかい」けど実際は「軸が作れず安定しない」
とトレーナーが言っていました。
今やっていることだけでなく、今まで見て、聞いたこと全てを参考に
考えることの難しさを感じました。
この後のトレーニングは高齢の方という事もあり、将来のことを考え、
体の軸を作るための上半身のトレーニングを行っていました。
種目自体はよく見るものでした。
ただ普段「しっかり下げて。」「大きく動かして。」というのはよく聞くのですが
今回は「もっと上まで上げて」と言っており、
これだけでもどこに注目したいのかがいつもと違う事が分かります。
この一言に意味が込められており、
「軸を作る」ために必要な筋肉のトレーニングになっていました。
さらに、生活の中で立っている時、歩く時にふらつかない様に
立位での安定を考えたトレーニング
と股関節を強化するためのトレーニングを行っていました。
どのトレーニングもお客様の生活に寄り添ったものだからこそ、
日常生活から少しづつ変わっていくんだと思いました。
最後に「今日の集大成」とトレーナーが言って、
股関節と背骨を動かすためのトレーニングを少し重量を上げて行うと、
「いやいや」言いつつも楽しそうに頑張っていました。
終わった後にお話しを聞くと「トレーニングしに来てる」というより
「楽しんで体動かしてるだけ」と言っていました。
この言葉を聞いて、お客様の「楽しい」を引き出せる環境を作ることの大切さを感じました。
お客様が本当に楽しめる環境を作っており、お客様の生活、年齢等を考慮した上で、
将来の事まで考えたトレーニングを行っていたのを見て、
このお客様のことを本当によくわかってると感じました。
お客様と本気で向き合った結果だと思うので、
私も少しでも早くこんなトレーナーになれるようにお客様一人ひとりと向き合っていきます。
